
電験三種の合格点・合格基準点【科目別・推移一覧】

電験三種は基本的に60点を超えれば合格です。しかし問題が難しい場合には、平均点が下がってしまうため各科目で合格点の調整があります。
たとえば平均点が58点だった場合、合格基準点も58点に調整されるケースがあります。以下のように過去には合格基準点が下がったケースがありました。
科目 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
---|---|---|---|---|
令和5年上期 | 60 | 60 | 60 | 60 |
令和4年下期 | 60 | 60 | 60 | 60 |
令和4年上期 | 60 | 60 | 55 | 54 |
令和3年 | 60 | 60 | 60 | 60 |
令和2年 | 60 | 60 | 60 | 60 |
令和元年 | 60 | 60 | 60 | 49 |
「令和5年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和3年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和元年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
ただし平均点が63点だからといって、合格基準点が60点以上に引き上げられることはありません。電験三種を受験する際は、各科目で60点以上を目指しましょう。

電験三種の合格率は例年10%前後

電験三種の合格率は、例年10%前後です。
2023年の電験三種の合格率は16.6%と、過去5年間の中で最高の合格率を記録しています。2022年以降から上期と下期で2回受験できるようになったことが、過去最高を記録した理由です。
電験三種の過去5年間の合格率は以下のとおりです。
令和5年上期 | 16.6% |
---|---|
令和4年下期 | 15.7% |
令和4年上期 | 8.2% |
令和3年 | 11.5% |
令和2年 | 9.8% |
令和元年 | 9.3% |
令和30年 | 9.1% |
「令和5年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和3年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和元年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「平成30年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
合格率が10%を切る年もあり、きちんと対策しなければ合格できない資格です。しかし年々合格率は上昇しているので、対策を行えば合格できない資格ではありません。
また電験三種には、科目合格があります。たとえば法規に落ちても、他の3科目が合格していれば次の試験で法規に合格するだけで、電験三種を取得できます。

電験三種の合格点・合格率の発表時期

電験三種の合格点・合格率の発表時期は試験のおよそ2週間後です。公式サイトにて発表されます。
試験結果通知書は約1ヶ月後に送付されます。試験結果を早く知りたい人は、自己採点をしてみるのもおすすめです。公式サイトの「試験の問題と解答」にて、試験問題と解答を確認できます。
参照:一般財団法人電気技術者試験センター「試験の問題と解答」

電験三種の合格点を超えるのが難しい3つの理由

電験三種の合格点を超えるのが難しい理由は、以下の3つです。
- 試験範囲が広い
- 計算問題が多く出題される
- モチベーションが続かない
それぞれ詳しく解説します。
1.試験範囲が広い
電験三種は試験範囲が広く、覚えるべき専門知識が多いため合格率が低いです。以下の4つの科目にすべて合格することで、電験三種の資格を取得できます。
- 理論
- 電力
- 機械
- 法規
出題範囲が広いため、試験の全体像をつかんで勉強するのが難しいのが実情です。暗記が得意な方でも、覚えるのに苦労することが考えられます。
勉強のスピードが早い方でも、1年ほどの時間をかけて学習に取り組むことが必要です。
2.計算問題が多く出題される
電験三種の合格点を超えるのが難しい理由の一つは、計算問題が多く出ることです。中学高校レベルの数学と物理の基礎知識がなければ、問題を解くのが難しいです。
計算に時間がかかれば、問題を最後まで解けない可能性もあります。過去問を確認して必要な公式を覚えなければなりません。
数学が苦手だったり長い間計算式に触れる機会がなかったりした方は、数学のテキストを購入して復習が必要です。
3.モチベーションが続かない
モチベーションが続かないことは、電験三種の合格点を超えるのが難しい理由の一つです。電験三種は、学習すべき範囲が多いため、少なくとも1年程度は対策する時間を設ける必要があります。
4つの科目をそれぞれ網羅的に勉強しなければならないため、やる気が続かない方が多くいます。途中で挫折する人や、しっかりと対策できずに試験当日を迎える人も少なくありません。
電験三種に合格するには、試験当日までのスケジュールを立てたり毎日一定の勉強時間を確保したりなどの対策が必要です。

電験三種の合格点を超える対策のコツ4つ

電験三種の合格点を超える対策のコツは以下の4つです。
- 合格基準を超えるための勉強に取り組む
- 過去問を繰り返し解く
- 理論から勉強を開始する
- 試験対策のコミュニティやイベントに参加する
電験三種に合格するためには、一般的に1,000時間の学習が必要とされています。効率的に勉強するための方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。
1.合格基準を超えるための勉強に取り組む
電験三種では100点を目指すのではなく、合格基準である60点以上を目標に勉強に取り組むことが大切です。出題範囲が広く、すべての科目を完璧に解くのは現実的ではありません。
また100点を目指すと合格基準を超える以上の勉強時間が必要になり、モチベーションが続きません。電気に関する専門知識が無い人ほど、勉強時間が増えます。
電験三種の合格を目指すときは、100点を目指さずに60点以上を目標にして、勉強に取り組みましょう。
2.過去問を繰り返し解く
電験三種に合格するには、過去問を繰り返し解くことが大切です。過去問とまったく同じ問題が出題されることは無いですが、似たような問題が出る可能性が高いためです。
過去問を解きながら、試験内容の概要を掴めれば対策がしやすくなります。自力で取り組んだ後に、解けなかった問題をノートに書き出すなど、工夫をしながら解きましょう。
3.理論から勉強を開始する
電験三種の合格点を超えるための対策の一つは、理論の科目から勉強を始めることです。理論は電験三種の試験問題の科目である、以下の3つに密接にかかわっています。
- 電力
- 機械
- 法規
その他の科目の土台になるため、はじめに勉強を開始することが大切です。理論の勉強をしながら他の科目を学習していくことで、効率的に対策できます。
4.試験対策コミュニティやイベントに参加する
電験三種の合格点を超えるために、試験対策コミュニティやイベントに参加しましょう。個人で勉強を進めていると「きちんと試験範囲を学習できているのだろうか」と、不安になる人も少なくありません。
モチベーションが上がらず、挫折する人もいるはずです。試験対策コミュニティやイベントに参加することで、合格を目指す仲間と出会うきっかけにもなるため、モチベーションアップにつながります。
電験倶楽部では、ともに勉強できる試験対策イベント実施と予想問題を提供しています。予想問題を解くことで、より実践的な対策が可能です。電験三種の合格を目指している方は、ぜひご参加ください。

電験三種の試験科目別の特徴

電験三種の試験科目に該当する、以下の4つの特徴を解説します。
- 理論
- 電力
- 機械
- 法規
それぞれの科目の特徴を把握してから、試験対策に臨みましょう。
理論
理論科目の出題範囲は以下のとおりです。
- 電気理論
- 電子理論
- 電気計測および電子計測
理論は計算問題が多いため、数学の知識が欠かせない科目です。試験時間は90分間ありますが、効率良く解いていかなければ、時間が足りず問題を最後まで解けない可能性があります。
過去5年間における理論の合格率と合格点は以下のとおりです。
実施年度 | 合格率 | 合格点 |
---|---|---|
令和5年上期 | 26.6% | 60 |
令和4年下期 | 24.6% | 60 |
令和4年上期 | 23.1% | 60 |
令和3年 | 10.4% | 60 |
令和2年 | 24.6% | 60 |
令和元年 | 18.4% | 60 |
「令和5年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和3年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和元年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
理論で勉強する知識はその他の科目で出題される計算問題に役立つため、最初に対策する科目としておすすめです。電験三種の理論科目については、以下の記事で詳しく解説しています
電力
電力では、以下のような電力系統に関連するさまざまな内容が出題されます。
- 発電
- 変電
- 送電
- 配電
電力の対策をおこなう際は、以下のポイントを意識して学習しましょう。
有効電力 | ・電力のうち実際に有用に利用される部分を指す ・無効電力の概念や計算方法を理解する |
---|---|
無効電力 | ・有効電力以外の電力のことを指す ・主に誘導電動機やコンデンサなどの非線形負荷において発生する |
三相電力 | ・交流電力の一種で、三相の電圧と電流が組み合わさった電力 ・三相電力の特性や計算方法を理解する |
力率 | ・電力の有効成分と全電力の比率を表す ・電力の効率や電力品質を評価する上で重要な指標 |
試験時間は90分間です。文章問題のほうが多く出題されるため、電気機器の名称の暗記は必須となります。
過去5年間の電力の合格率と合格点は以下のとおりです。
実施年度 | 合格率 | 合格点 |
---|---|---|
令和5年上期 | 25.4% | 60 |
令和4年下期 | 20.8% | 60 |
令和4年上期 | 24.2% | 60 |
令和3年 | 32.6% | 60 |
令和2年 | 17.7% | 60 |
令和元年 | 18.3% | 60 |
「令和5年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和3年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和元年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
過去5年間で電力の合格率の平均を出すと、23.1%でした。電力では配点が高めな発電と送電に関する問題の対策をきちんとすることが、合格するためのポイントです。
機械
機械では、以下のように電気機械と電力応用の2分野から出題されます。
電気機械 | ・変圧器 ・直流機 ・誘導機 ・同機器 ・パワーエレクトロニクス |
---|---|
電力応用 | ・照明 ・電気加熱 ・電動機応用 ・自動制御 ・電気化学 ・情報処理 |
機械科目は出題される範囲が広いため、対策が大変です。過去問を見て頻出している問題をまとめることが大切です。たとえば以下の問題は高頻度で出題されているため、網羅的な学習が求められます。
- 変圧器
- 直流機
- 誘導機
- 同期機
過去5年間の機械の合格率と合格点は以下のとおりです。
実施年度 | 合格率 | 合格点 |
---|---|---|
令和5年上期 | 24.6% | 60 |
令和4年下期 | 28.4% | 60 |
令和4年上期 | 11.3% | 60 |
令和3年 | 22.8% | 60 |
令和2年 | 11.4% | 60 |
令和元年 | 26.7% | 60 |
「令和5年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和3年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和元年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
なお電験三種の機械科目については、以下の記事で詳しく解説しています。
法規
法規では、電気事業法や電気工事士法、電気設備に関する法律について出題されます。文章問題が多く出題されるため、法令を暗記しておけば合格しやすい点が特徴です。また試験時間が65分間で、他の科目よりも短くなる点に注意しましょう。
過去5年間の法規の合格率と合格点は以下のとおりです。
実施年度 | 合格率 | 合格点 |
---|---|---|
令和5年上期 | 28.8% | 60 |
令和4年下期 | 18.4% | 60 |
令和4年上期 | 14.7% | 54 |
令和3年 | 24.1% | 60 |
令和2年 | 21.3% | 60 |
令和元年 | 17.7% | 49 |
「令和5年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について」
「令和4年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について」
「令和3年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和2年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
「令和元年度第三種電気主任技術者試験の結果について」
すべての法律の条文を暗記するのは難しいため、過去問で出題された条文を確認することが大切です。出題されやすい条文を中心に勉強に取り組みましょう。

電験三種の受験方法

電験三種は、経験者・未経験者問わず誰でも受験できます。受験方法は以下の2種類です。
- 筆記方式
- CBT方式
CBT方式とは、コンピュータを利用して実施する試験方式のことです。コンピュータに表示された問題に対して、マウスやキーボードを用いて回答します。
申し込みは原則インターネットからです。やむを得ない理由で書面申込みを希望する場合は、試験センター本部事務局に問い合わせることで対応してもらえます。
申し込み方法により以下のように受験手数料が異なることに注意しましょう。
インターネットによる申し込み | 7,700円 |
---|---|
書面による申し込み | 8,100円 |
2024年以降の電験三種の申込期間と試験日は以下のとおりです。
区分 | 上期 | 下期 |
---|---|---|
申込期間 | 令和6年5月20日〜6月6日 | 令和6年11月11日〜28日 |
CBT方式の試験日 | 7月4日〜28日 | 令和7年2月6日〜3月2日 |
筆記方式の試験日 | 8月18日 | 令和7年3月23日 |
電験三種の試験は、2022年以降から上期と下期の年に2回受けられるようになりました。科目合格もあるので、一度合格できなくても諦めずに挑戦しましょう。
参照:一般財団法人電気技術者試験センター「受験申込方法・受験案内」

電験三種の合格点を意識して試験勉強に取り組もう

電験三種に受かるためには、合格点を意識して試験勉強に取り組むことが大切です。電験三種は試験範囲が広いため、全科目を完璧に勉強するのは難しいです。
そのため、合格点である60点以上を目指して試験勉強に取り組みましょう。
電験三種を取得すれば、電気に関する深い知識を取得していることを証明できます。会社からの信頼度が高まり、キャリアアップを狙える資格です。
電験三種を取得した際には、ぜひ「全電協株式会社」への入社をご検討ください。全電協株式会社では、3年以上の実務経験のある方や実務経験は無いが有資格者の電気主任技術者を募集中です。
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