20代の電気保安女子、大澤さん!
ー電気保安女子ということで、女性目線での電気主任技術者についてもお話聞ければと思っています!まずは大澤さんの自己紹介からお願いいたします。
はい、よろしくお願いします!自己紹介ですね。なんだか緊張しますね。
1996年生まれで、今年27歳になります。神奈川県生まれ、神奈川育ち、今も神奈川に住んでいます。全電協には2015年の4月に入社したので、今年の4月で丸9年勤めています。
電気主任技術者って難しそうな印象持たれるかもしれませんが、私自身はいたって普通の女子です(笑)お休みの日にはカフェに行ってぼーっとしたり、趣味といえるかは微妙かもですがUFOキャッチャーが好きなのでゲームセンターで遊んだり…。
だから、このインタビューを通して、普通の女子でも電気主任技術者の仕事ができるっていうことを知ってもらえたら嬉しいです!
巡り巡って電気主任技術者に
ー大澤さんが電気主任技術者になった経緯など、これまでの経歴について教えていただけますか?
全電協には、工業高校の電気科を卒業して新卒で入社しました。
といっても、電気に興味があった訳ではなくて、中学は普通科だったから高校では専門的な何かをやってみようかなっていう、ノリで決めたんです。一個上の兄が同じ電気科にいたこともあって、ここでいいや!みたいな。勢いで選んだ感じはあります(笑)
ー高校で電気の勉強をする中で電気主任技術者を目指そうと思ったんでしょうか?
実は、もともとは大学に進学して工業高校の教員免許を取ろうと思ってたんです。だから大学受験をしてたんですけど、第一志望の大学が決まらなくて進学は諦めました。その時点で高校3年生の1月とか。もちろん周りの友達は進路が決まっているし、卒業間際で焦りましたよ。
そのタイミングだと就活もなかなか難しくて、先生に相談した時に「この会社をうけなさい!」くらいの勢いで渡されたのが全電協の会社案内でした。
ー電気科と聞くと、電気主任技術者を目指すような学生もいそうですが、同級生で電気主任技術者になった方もいるんでしょうか?
卒業後の進路としては、就職・進学と色々ですが、電気主任技術者に進む人っていうのは少ないんじゃないかな。
私自身、在学中は電気主任技術者自体知らなかったので。先生から会社案内をもらった時も、全電協って何の会社?っていうぐらいだったんですよ(笑)
ー電気主任技術者について全く知らなかったのはびっくりです!そこから入社するにあたっては何か決め手があったんですか?
面接を受ける前に現場見学をさせてもらったんです。
実際に仕事をしている現場を見てから全電協を受けるかどうか決めていいよ、と言っていただいていたので。
それで現場を見させてもらったんですが、正直何をやってるのか全くわからなかったんです。だけど、現場を見た時、すごくワクワクしたんです。なんでワクワクしたのかは説明が難しいですが、その時の気持ちがあって入社したいと思うようになったんです。
新卒社会人から丸9年。入社してからのこれまでと、電気主任技術者としての今。
ー高校卒業してすぐの入社だと、業務以外でもわからないことが多いですよね。入社してからは、まずどのようなことをされていたんですか?
そうですね。入社してからまずやったことは、社会人としてのお勉強でした。お茶の出し方とかマナー講習とかを本社で教えていただいたんです。あとは、現場に行く前に電気設備について座学の勉強をしたり、研修室で実際に機械に触ってみたり。1年目は基本的なことの研修期間という感じでした。
当たり前かもしれないですけど、高校生が社会人になったばかりで右も左も分からない中、新しいことをやらなきゃいけないのでまずは環境に慣れるのが大変でしたね。
現場に出始めたのも、入社してから半年くらいしてからだったと思います。
ー担当されている施設数としてはどれくらいになるんでしょうか?
私の担当は24件ぐらいですね。多い人だと7〜80件ぐらい持ってるので、施設数でいうとそこまで多くないかもしれません。
ただ、この案件数って多ければすごい…みたいなことはなくて。施設ごとに法定ポイントという点数があって、1人の担当者で合計何点までしか持っちゃいいけないというのがあるんですよ。設備規模によって点数が変わるので、1人が担当できる件数もその施設の点数次第になります。
私の担当エリアは会社とか大きめの施設が多いので、1施設あたりの点数が高くて、案件数自体は少ないんです。
ー入社されてから丸9年ということで、電気主任技術者として一通り経験されてきたかと思いますが、やりがいや魅力はどのような部分にありますか?
入社してから、たくさんの現場に出させていただいたんですが、1つ1つの現場で電気設備の作りって違うんです。設備自体の種類が多かったり、いろんなメーカーさんの機器があったり、その違いの分だけ仕事の進め方や危険ポイントとかも変わってくる。
設備だけじゃなくて、技術者さんもいろんな方がいて。お手伝いさせていただく現場ごとに、それぞれの技術者さんの仕事の仕方とかをいっぱい吸収できるんです。
現場ごとに違う仕事をしているような感覚なので、そこが楽しいというか、この仕事の魅力ですね。
あとは、お客様から「ありがとう」とか直接感謝の言葉をいただいたりすることもあって、その時は保安の仕事をやっててよかったなって思ったりします。
業界としても稀有な存在、女性の電気主任技術者。
ー女性の電気主任技術者の方はあまりいないと聞いたんですが、実際にはいかがでしょうか?
そもそも、私が卒業した工業高校でも、電気科の学年で女性は私1人だったんですよ。同級生でも、卒業してから電気の仕事につく子っていうのもあまりいないんです。だからって訳ではないですが、働き始めてから色々な現場に行っても、女性の方はほとんど見たことないですね。
ーそのような状況だと、大澤さんの存在はとても貴重ですね。
そうかもしれませんね。ただ、働き始めた頃はそういった意味での苦労もありました。
現場では女性が珍しかったので、周りの方に気を使わせちゃったり、女性扱いをされてしまうんですよ。当初はやっぱり若い女性というだけで舐められてしまうというか、女の人で本当にできるの? みたいな感じで思われてしまうことも全然あったので。
私も電気主任技術者として10年目なので、現場でも1人の技術者として接してもらえるようになってきましたよ。女性扱いをされなくなってきた…というとちょっと悲しいですけど(笑)
ー女性の電気主任技術者の方はもっと増えて欲しいですか?
もちろん増えて欲しいです!
体力面でも、現場仕事だと女性には難しい印象があるかもしれませんが、ずっと現場で動いてるわけではないので、女性でもできる仕事だと思います。 なにより、私自身がこうして働くことができているので、女性の方にも「自分にもできそう」と思ってもらえたら嬉しいです。
ー職場環境の働きやすさでいうといかがでしょうか?
専任の電気主任技術者になれば、担当案件は自分で予定が組めるんです。他の現場のお手伝いも自分で予定を立てて選ぶことができるので、お休みの調整とかもしやすいですよ。
働き方でいうと、基本的には自分で月のシフトを考えながら働いています。
私は月の前半でやらなきゃいけないことを終わらせたいタイプなので、月の前半に仕事を詰めて後半はゆっくり仕事をできるようなシフトにすることが多いですね。
事務所内もアットホームで働きやすいです。
入社当初は、初めての新卒女性社員ということもあって、同じ現場チームのみんなも私に対する接し方がわからなかったみたいですけど(笑)
私自身コミュニケーション能力高い方だと思うので、ずかずか話かけてたら、今ではみなさんから気軽に話かけてくれるようになりました。電気主任技術者同士、現場であった出来事共有したりしてくれるので、日々の会話の中でもスキルアップというか、日々勉強させてもらっています。
「女性だから…」とか自分で決めてしまわずに、積極的に勉強しながら働いていくことができれば、女性が少ないとか関係なく活躍することができる環境だと思います。
これから電気主任技術者を目指す方へ。
ーこれから電気主任技術者を目指す女性もどんどん増えて欲しいですね。大澤さんの経験から、これから電気主任技術者を目指す方に向けたメッセージをいただけますでしょうか?
「電気主任技術者」って聞きなれない人からすると、難しそうなイメージが浮かぶと思うんです。でも、高校卒業して、電気のことも全然詳しくなかった私でも、たくさんの人に助けられて、今こうやって働くことができています。
手に職があれば将来不安になることもないし、資格を取ってしまえば老若男女誰でもできる仕事だと思ってます。 色々な現場で、新しい発見ができる。最初は全然興味もなかった電気の世界なんですけど、今はとても楽しく働いています。
本当に勉強のしがいがあるし、生涯ずっと続けることができる仕事だと思うんです。だからこそ、少しでも興味があれば男女関係なく是非挑戦して欲しいです!
女性でこの仕事を目指している人がいれば、私に声をかけてくれればと思います!
ー最後に、 大澤さんにとって電気主任技術者とはどんなお仕事か教えていただけますか?
電気は目に見えないから怖いと思う人もいると思うんですけど、とっても奥が深い。いくら勉強しても未だに知らないこともどんどん出てくるし、現場に出れば経験豊富な技術者さんもたくさんいる。
私自身、まだ技術者になって2年目なので、もっともっと勉強して日々成長していきたいです。
電気主任技術者は、自分を成長させてくれる仕事だと思います。
文:航
写真:荒川 千波