全電協で働く甘党男子、山根さん!
ー本日はよろしくお願いします!電気主任技術者について色々お話聞かせていただきたいんですが…その前に気になるのが「甘党男子」(笑)まずは山根さんの自己紹介からお願いできますか?
はい、よろしくお願いします。
そもそも男子という年齢ではないかもしれませんが…。1983年東京生まれ東京育ちの40歳、甘いものが大好きなので自己紹介の時には「甘党男子」ということもあるんです。あまり深い意味がなくて申し訳ありません(笑)
入社の経緯などはこの後お話させていただくので、休日の過ごし方などについてお話しますね。
甘いもの以外だと、温泉大好きなんですよ。よく代休を使って平日に温泉に行ったりしています。 移動も新幹線とかを使わずに鈍行で行くのが好きで、ゆっくりと移動しながら小説を読んだり、好きなものを食べたり。電気や電波がきてない宿とかもよく行くんですが、部屋のあかりは電灯じゃなくランプとかなんですね。
日々電気に携わっているから、たまの休日には電気デトックスしたりしてリフレッシュしています。
あとは、見た目によらずかもしれませんが、アウトドアが好きで、フェスとかにもよく行くんです。これも意外かもしれませんが、トランス系の音楽とかが好きで。
電気主任技術者って聞くと小難しそうな印象持たれるかもしれませんが、こんな感じで趣味も楽しんでいるような社員もたくさんいるので、肩肘張らずに、電気主任技術者について知っていただけると嬉しいです。
祖父から引き継ぐ、電気主任技術者の仕事
ーでは、ここからは電気主任技術者について詳しくお話聞かせてください。まずは、山根さんが電気主任技術者になった理由や背景を教えていただけますか。
私は電気主任技術者になって8年目、2016年に全電協に入社しています。その前は、営業の仕事をしていましたので、転職前は全然違う仕事をしていたことになりますね。
前職は6年半くらい勤めていたんですが、これから先ずっと同じ仕事を続けていくことができるのか、自分の生活とかスタンスにあったような仕事を一生続けるためにはどうしたらいいのか、ふと考えることがあって。
電気主任技術者を選んだきっかけとしては、祖父の存在が大きいかもしれません。
祖父は、電験一種(第一種電気主任技術者)の資格を持っており、発電所の電気主任技術者をやっていました。だから、 祖父から電気主任技術者が権威ある仕事であることをよく聞いていたんです。
ずっと仕事を続けていくという意味でいうと「電気主任技術者の仕事は一生食べていくことができる」とも言い聞かされていたことを思い出して、転職を決めたんです。
電気主任技術者の業務内容
ー山根さんは日々どのような業務に携わっているんでしょうか?
私は現場ではなく本社勤務なんです。
技術者が現場で点検をして上げてきた報告を、私の方でまとめてお客様に報告を提出するということがメイン業務です。設備の状態管理など、担当案件全体のお客様とのやりとりを含めた進行管理のようなイメージですね。
施設の点検日程調整も担当として行うので、どの施設でいつ点検をして、いつ報告を上げているか、どのような不具合があるかなど、細かく管理しています。1年に1回、各施設では停電点検をしなければいけないんですが、停電点検だとお客様の設備も全て止まってしまうので、お客様とコミュニケーションをとりながらその停電計画の調整なども行っています。
ー全電協での電気主任技術者としての働き方は、現場に出られる方と本社にいらっしゃる方と大きく2つになるのでしょうか。
そうですね。ざっくり分けるとその二つということになります。
電気主任技術者として現場で働くためには、現場経験が必須でありまして。
現場経験を積むと電気主任技術者の実務経歴を保証する法人ナンバーがもらえるんですが、その法人ナンバーを持っている電気主任技術者でないと専任として現場配属できないんです。
私は入社タイミングでは現場未経験だったということもあり、まずは本社に配属になっています。未経験で入社した社員は、様々な現場の業務を通じて必要な現場経験を満了した時に、本人の希望も含めて現場担当になるのか本社勤務になるのか、という選択肢が生まれるイメージです。
仕事のやりがいは、お客様とのコミュニケーションの中から生まれる
ー日々の業務の中で、山根さんがやりがいや魅力を感じるのはどういった部分にありますか。
特にやりがいを感じるのは、トラブルをスムーズに解決できた時ですね。
普段から当たり前にある設備ですので、設備が古くなったり少しの不具合が起きたとしても、施設に電気がまだきてるということがあります。そのまま使用し続けるとやはり設備が壊れてしまうんです。 そうすると施設全体が停電してしまう。
そうなってしまうとお客様も慌ててしまうんですが、我々の技術力、サポート体制でいち早く原因追求して推論し仮説を立てる。
原因究明〜提案までをいち早くやって、問題が解消できた時のお客様の喜びは忘れがたいです。もちろんトラブル自体は起きないほうがいいですが、そういった中でお客様との信頼関係も築いていけると思います。
あとは、設備の点検報告をする中で古い設備などを順序立てて整理したり、緊急度合い別に分けたり、お客様がどこに予算をかけなければいけないのかというような提案をするんです。
その時に「じゃあ山根さんの提案の通りここから直しましょう」というような回答をお客様からスムーズにいただけると、私もお客様もにっこり、となりますね。
電気業界、今昔
ー話は変わりますが、業界の課題として電気主任技術者の若手担い手不足があると思います。全電協では若手の採用などには力を入れているのでしょうか?
現状、まだまだ多くはないんですけれども、会社としても若い人材を獲得できるようにサポートを積極的に行っていますので、少しずつ増えてきていると思います。
先ほどお話しした現場経験も、保安管理業務講習という経済産業省が定めた講習を1週間受講することによって、電験三種だと必要な現場経験を5年から3年に短縮することができたり、業界としても若手確保に力を入れる動きになってきています。
ー業界の受け入れの仕組み自体が新しくなり始めているということですね。前職で違う仕事をしていた山根さんとして、電気業界についてはどのように感じていらっしゃいますか?
そうですね。
電気主任技術者自体、戦後復興のタイミングから、「電気」というインフラをしっかりしないと…っていう考えから始まっていて。私の祖父の代が昭和中期ぐらいの時に活躍をして、私の父の世代がそのジュニア世代。私は、孫の世代ということになりますね。
その中で、世代ごとに受け継がれてきた当初のルールや考え方っていうのがやっぱりまだ残っているので、 そこを上手に脱却して今の業界なりのスタイルにさらに変えるべきだろうなとは思っています。
近年だと新しい持続可能エネルギーの導入などが進んでますし、そういった動きに合わせて考え方だけでなく仕組みも変えていかなければいけないということが生じているんじゃないかな。
今の時代、電気はなくてはならないものですからね。
停電なんて絶対にありえない、電気はきて当たり前!という日本はすごくいい世の中だと思うので、その保安を担う電気主任技術者の役割というのもより重要になってくるんじゃないかなと思っています。
ー近年仕事を選ぶ基準として、働き方も重要視されますよね。全電協での山根さんのワークライフバランスはいかがでしょうか?
私の部署全体では6000件ぐらいを10名前後のメンバーで回してるんですが、基本的に9時-18時の業務時間に収まるような働き方ができています。
もちろん施設の電気を止めるような現場の立ち会いがあると、施設が稼働していない深夜だったり休日対応があったりしますが、その分深夜・休日出勤扱いで代休が取れるので、働き方のバランスはとりやすいと思います。
ーオン・オフをしっかり自分で管理することができるのは仕事のモチベーションにも繋がっているんじゃないでしょうか?
それもありますが、給与面でもしっかり稼ぐことはできると思いますよ。
自分の担当案件以外の応援に行くこともあるんですが、応援に行くとさらにプラスして給料に反映されるような仕組みもあります。
応援に行けば行くほどインカムも良くなるというような仕組みになっているので、稼ごうと思えば、しっかり稼ぐことができる環境ですね。
これから電気主任技術者を目指す方へ。
ー電気主任技術者について色々お話し聞かせていただきありがとうございます。異業種から転職された山根さんだからこそわかることもたくさんあるかと思いますが、これから電気主任技術者として働いてみたいと考えている方に向けたメッセージなどいただけますでしょうか?
すでに目指している方はもちろん、まずはもっといろんな方にこの仕事のことを知っていただきたいです。お話しさせていただいた通り、非常に魅力的な仕事だと思っています。地味かもしれないですが、縁の下の力持ちという形で影から社会を支えているという自負ができる仕事なんです。
実際に大きな役割・責任もありますので、それを自分でなしているという達成感も得られる仕事ですし、なにせ長く続けることができる。
うちの現場の平均年齢は65歳ぐらいだと思いますよ。
60代は若造と言われる世界。 体さえ頑丈であれば本当に7〜80歳になるまで仕事ができますね。仕事をして仕事に尽きるというような、そういう働き方ができる会社かなと思います。
余談ですが、会社の方針としても長く務めることを奨励していまして、会社に80会という80歳になると入れる会があるんです(笑)メンバーも2桁前後くらいの人数がいるんじゃないかな。
人生100年時代とも言いますし、定年後に自分で仕事を選んで働くことができるということは、とても大切なことだと感じています。
縁の下の力持ちと言いましたが、影から社会を支えて貢献したいと思える方や、緻密に設備のことを考えたり、自分の技術研鑽をしながらお客様に寄り添ってあげられるような人は電気主任技術者に向いていると思います。
ー最後に、山根さんご自身は電気主任技術者として働かれている今についてどのように感じていますか?
祖父の教えの通り、電気主任技術者になってよかったと思っています。
もちろん大変な部分もありますが、社会になくてはならない仕事だし、自分で技術力を高めることができる。日々働きがいを感じています。
だからこそ、もっとたくさんの人にも電気主任技術者について知ってもらい、この業界で働いてみたいと思う人が増えてほしいですね。
文:航
撮影:荒川千波